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秘密にしろよ
第1章 社内恋愛禁止令
俺がトイレから出た所で、誰かに思いっきりブツカッタ。

「っ…いてっ!!ごっごめんなさいっ…」

とそのブツカッタ人に謝まりながら、そっちを見た。

「…イテテテテ…いえいえ…此方こそ失礼致しました。」

と眼鏡を上に上げながら、その女は苦笑いしていた。

ブツカッタ拍子に尻餅をついてしまった様で、まだ座っているその女に俺は、ゆっくりと手を差し伸べた。

「大丈夫?立てる?」

と手を差し伸べながら聞くと、

「あっ…お気遣いなく。私は大丈夫であります。」

と自ら立ち上がった。

その女は俺の顔を見もせずに、

「走っていたのは私故…申し訳ありませんでした。以後気を付けます。はい。でわ…失敬。」

とそそくさと歩いて行った。

…誰?

あんなダサい女…この会社に居たんだ。

嫌…違う会社からの訪問者かも。

きっとそうだ。

そう思う程、変な口調の女は…ダサかった。

ありゃ…絶対処女だな。

と俺は勝手に決めつけていた。

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