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秘密にしろよ
第4章 牧瀬 江奈(まきせ えな)の魅力
「…やだ。返さない。…牧瀬さんって…社長に抱かれてんだろ?教えてくれるまで…返さないよ。」

と俺は手を払い除けた。

「…何故ゆえ…そんな事…。わたくしは…抱かれていません。そんなつもりで秘書をやってるのではありません。他の方は存じ上げませんが…わたくしは違います。」

と泣きそうな顔で答えた。

「…けど…一番気に入られてんだろ?じゃぁ…何してんの?二人っきりで…何をやってんの?」

俺は何故か責める様に言っていた。

「……社長は…その…わたくしの事を…慕ってくれていらっしゃる様で…その…何もしない約束で、側に仕えさせて頂いてます。」

と真っ赤な顔で俯いた。

「慕ってる?…社長が?…口説かれてんの?」

と俺はソファに座りながら聞いた。

「…はい。しかしですね…わたくしは…その…人間には余り興味が無くてですね…その…」

…へっ?人間?

「…何?犬とか猫にしか興味ないとか?」

と俺は首を傾げた。

「ち…違います。…あの…2次元しか…その…マンガの世界しか興味ないのです。はい。」

と牧瀬さんは頭を掻いていた。

…オタクって事?

「…それ…勿論社長も知ってるんだよな?」

と聞くと、恥ずかしそうに頷いていた。

「…お前…馬鹿なのか?勿体無いよ…んな顔して…勿体無さ過ぎるよ。…人間も…ちゃんと見ろよ。」

気が付くと俺は、牧瀬さんに説教していた。

「…勿体無いかどうかは知りませんが…分かっているのですよ?ダメな事は。けど…無理なものは無理なのでありまして…その…」

と申し訳無さそうに言った。

「…んじゃ…せめて…コンタクトにすれば?それに…髪型。もっと可愛く出来るだろ?服もダサいし。」

…ヤベッ。言い過ぎた??


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