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秘密にしろよ
第4章 牧瀬 江奈(まきせ えな)の魅力
ハッとして牧瀬さんを見ると…。

めっちゃ怒った顔していた。

「…何故貴方に、そこまで言われなければならないのですか?コンタクトレンズにする必要性が分かりません。…とにかく眼鏡をお返し下さい。」

と両手を差し出してきた。

俺はその怒りのオーラに負けて、眼鏡とゴムを返してあげた。

「…ごめん。言い過ぎた。気分悪いだろ?もう別に帰ってくれてもいいよ。大丈夫だから。ワザワザ有り難う。」

と俺は微笑んだ。

「いいえ。規則ですから。体調を崩した殿方の世話をするのも、秘書の役目です故。お気になさらず。でわ…キッチンをお借り致します。」

と牧瀬さんは眼鏡をかけて、髪を束ねてからキッチンへと向かっていた。

俺の部屋は2LDKで、一人で暮らすには広かった。

家賃の半分を、会社が負担してくれている。

それに、この部屋を見つけてくれたのも社長だった。

とにかく男の社員は、至れり尽くせりだった。

…規則…か。

そう言えば…もっとあったよな?何だっけ?

俺は初めに渡された、テキストみたいな書類を思い出していた。

…ジックリ読んでねーし。

そんな事を思っていると、凄くイイニオイがしてきた。

……腹減った。

俺はチラッとキッチンを見ると、コチョコチョ動いてる牧瀬さんを眺めていた。

…俺だって…似た様なもんだろ。

女には興味あるけど…好きって気持ちが分からない。

…そんな俺が説教なんて…。

牧瀬さんを眺めながら、ふっと息を付いて笑った。

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