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秘密にしろよ
第4章 牧瀬 江奈(まきせ えな)の魅力
「お待たせ致しました。お口に合うかは分かりませんが…少しでも召し上がって下さい。」

と牧瀬さんはテーブルに、食事と木のスプーンを置いてくれた。

…めっちゃ旨そう。

…でも…こんな食器…持ってたっけ?

そんな俺の気持ちを読んだのか、

「あっ…きっと食器なども、お持ちでないのではと思いまして…持参致しました。特製おじやでございます。温かい内にどうぞ…。」

と眼鏡をかけて、目が小さくなった牧瀬さんが微笑んだ。

…戻ってるし。

…目の印象で、人って物凄く変わるもんなんだな。

俺は変な事に感心しながら、

「いただきます。」

と手を合わせて食べ始めた。

「んっ…旨いっ!」

と熱々のおじやをほうばっていると、

「…良かったです…お口に合って。これ…お茶でごさいます。身体に良いルイボスティーです故…ご一緒にどうぞ。」

と鞄から水筒を出して、コップに注いでくれた。

…こんなもんまで…用意してくれてたんだ。

「…ありがとう。…規則ですから…って言うんだろうけど。」

と俺は牧瀬さんに微笑んだ。

「……ごゆっくりお召し上がりください。わたくしは少しお片付けでもしています故。洗濯機…使わせて頂きます。」

と少し散らかった部屋を片付け始めた。

…何か…こう言う感じ…久し振りだな。

彼女は居た事無かったが、大学時代はこんな感じで、世話を焼いてくれる女が何人かいた。

勿論…その後は…ベッドを共にしてたんだけど。

俺はトタトタ動いてる、牧瀬さんを見つめながらルイボスティーとやらを口にした。

うっ…変な味。


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