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秘密にしろよ
第6章 崩れ行く理性
『…ぁぁ…ぅっ…ぅっ…ぁ…』

…速川先輩の声…だよな?

…てか…社長…攻めなのかよ。

ポイけどな。社長は絶対攻めっぽいけどな。

俺は少し気持ちが萎えた。

…無理だよ…ケツになんて…。

俺はまた項垂れながら、自分のデスクへと戻っていった。

…無理だよ…社長に近づくのは。

でも…。

「あの…」

俺きっと今回は多分5㎝は跳んだ。

新記録。

声のした方を振り向くと、顔は見た事あるけど名前は知らない女がいた。

って言うか、どこで見かけたのかも分からない程曖昧。

「はい?」

俺はそのモジモジしてる女に、語尾を上げて返事した。

「…あの…私の事知ってます?」

…うわ。それ一番嫌な質問。

知らないって言ったら…傷付くんだろ?

知ってるって言うのも…ウソっぱちだし。

「…多分…知ってる。顔は。」

俺はかなり曖昧な返事を返してしまった。

「…多分?…私…第3秘書の賓崎 菜々子(はまさき ななこ)と言います。覚えていて下さい。」

……秘書?またぁ?

「ん…はい。覚えておきます。…で…何か?」

俺は恐る恐る聞いてみる。

…また…抱くのか?

俺を…欲してんのかよ?

「…社長がお呼びです。ただ…今はその…お忙しい様ですので、後1時間程したら社長室まで行って下さい。では。」

と言うと、そそくさと居なくなった。

……えっ?…何?

社長が呼んでるぅ?!

俺は勘違いした事を、少し恥ずかしく思いながらビックリしていた。

スゲータイムリー。

やめろよ。

仕事の話だよな?

…そうに決まってる。

速川先輩とヤラカシタ後で…まさか…だよな。

俺はちょくちょく時計を確認しながら、パソコンに向かっていた。

勿論…仕事なんて手に就かなかった。
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