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秘密にしろよ
第6章 崩れ行く理性
「すっすいません。…あっ…」

俺は慌ててハンカチを取り出すと、飛び散ったお茶を拭いた。

「…ククッ…その動揺の仕方だと…知っている様だな?」

と社長は笑っていた。

「…いや…その…あの…」

俺は言葉を探すが、なかなか見つからなかった。

「知っているのなら…話は早い。…お前は…女にしか興味は無いのか?」

社長は自然にそう言うと、俺を見据えてきた。

…どう答えるんだよ。

ここで…無いって言ったら…このまま何も変わらない。

嫌しかし…ありますって言ったら…それはそれで…。

「…正直…女が好きです。…けど…その…社長には少し興味はあります。…あっでも…そんなの俺はした事なくて…ですね…あの…」

うわぁ…俺…何言ってんの?

すると社長は満足そうに微笑みながら、

「…俺に興味があるんだな?だったら…秘書にならないか?勿論…女も抱けばいい。」

そう言った。

…えっ?!俺が…秘書に?!

「…嫌…あの…えっ?!何故ですか?11番目って事ですか?」

聞きたい事は山程あったが、取り合えず見つけた言葉を必死で綴った。

「…嫌。1番秘書だ。今の1番秘書が今月末で退職する。お前はその後釜だ。」

社長は相変わらず涼しげに言うと、俺を舐める様に眺めていた。

「…何故…俺を?…速川先輩とかは?」

俺はそこでハッとした。

んな事言ったら…。

「ん?…速川?…あぁ…そうだな。それも考えたが…俺はお前に興味がある。…速川も両刀だと知っていたのか?」

…知りませんでしたよっ。

俺はまた言葉に詰まる。

すると察しの良い社長は、

「…お前…さっきの…聞いてたのか?久し振りにアイツを抱いたんだが…あまりの興奮に声を押さえきれなかった様だ。…やはり…聞こえていたのか。」

と意味深に微笑んだ。

俺は…軽く頷いた。

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