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第9章 新しい生活

暫く走っていると、閑静な住宅街へと入って行った。

…まさか…一軒家じゃないよなぁ？

と外の景色を眺めていた。

すると、ある一軒家の前で車が停まる。

……っ…嘘だろ？!ここぉ？?

俺は完全にフリーズした。

「…麟太郎…着いたぞ。降りろ。俺は車庫に入れるから…家の前で待っていてくれ。」

と当たり前の様に言われて、俺は何かドギマギしてしまう。

「…家の…前？なぁ…恭介…独り暮らしじゃないの？」

と俺が恐る恐る聞くと、

「…独り暮らしだ。…少々広い家を買ってしまった。もて余している。…とにかく降りろ。」

と恭介に促されて、俺は慌てて降り立った。

…少々じゃねーし。

恭介って…馬鹿なのか？独り暮らしで…こんな家買うぅ？?

もて余しているって…だろうな。うん。

と俺が豪邸を見物していると、

「…こっちだ。」

と恭介が何やらピっとやると、門が開いた。

…!!!!自動かよっ。

…開けゴマっ…とか言いたくなるな…この門構え。

ふとお洒落な表札が目に入る。

『K.SENA』

と書かれていた。

そう言えば…瀬名って名字だったっけ。

瀬名 恭介…それがフルネームだ。

俺は慌てて恭介に着いて行った。

そして恭介は、玄関の扉をカードで開けた。

…何なんだ？!何もかもが…違い過ぎて…

もう…突っ込むのもシンドイわ。

扉を開けて中へと入る。

何となく予想はしていたけど、玄関のスペースは…俺の部屋より広かった。

…俺…ここで寝れるぜ。

俺が引き気味なのが分かったのか、恭介は俺を見ると、

「…麟太郎…顔が恐いぞ。」

と笑っていた。

…俺は…恭介が恐いわ。