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いろはにほへと ~御手洗家の10の掟~
第1章  2歳児に惚れた男?

ようやく屋敷内へと促され。

10cmにも満たない小さな足を踏み入れた途端、ヘーゼルの双眸に飛び込んできたのは、

白大理石造りの大階段だった。

「うひぁ……っ」

桃色の唇から思わず零れた、感嘆の声。

大きな瞳が、床から2階まで吹き抜けの高い天井を順に追って行く。

そこに広がっていたのは――あれよ “あれ”。

貴族のお城とか、結婚式場でありそうな大階段よ。

真正面にどーんと迫るのは、幅3mはありそうな階段(大理石の上に絨毯が留めてあるやつね)。

それを10段程上がったところで、左右へ二股に分かれて、更に登っていく。

「一体 何の為に、階段を二手に別けるのさ?」

と思わず突っ込みたくなる、無駄に豪奢な “あれ” でございますよ。

「あ~、女の子は好きそうだよな? こういう階段。綺麗なドレス来て、王子様に手を引かれながら、うっとり下りてくるシチュエーションとか、憧れちゃう感じ? 可愛いなあ」

ココの目線に腰を屈め、横からからかって覗いてくる龍一郎。

「……う、うん……」

だが、生返事をしたココの小さな頭の中は、実は全く正反対のことを考えていた。

180cm越えの “ひょろお” もとい龍一郎でも、容易に横になれそうな大階段。


 
思わず “ドリフの階段落ちコント” を見たくなっただなんて、口が裂けても言えない……orz

思いっきり歳バレるわww



またひょいと抱っこされたかと思えば、青絨毯を踏みしめながら、件の大階段を昇って行く龍一郎。

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