この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
いろはにほへと ~御手洗家の10の掟~
第1章 2歳児に惚れた男?
「……ちち……」
つまり、自分はこれで日本国籍を取得し、同時に様々な事から守ってくれる(?)養父を手にしたということか。
てっきり一時的に御手洗家に匿って貰ってから、孤児院に送られると思っていたのに。
「………………」
前世では両親ともに健在で、大学を出るまでは実家で、愛情を込めて育ててくれた。
現世では母親のみで、たった2歳のココには、父親の生存確認さえ出来ない状態だった。
それがまさか。
血の繋がらない父親が、こんなにも簡単に目の前に現われてしまうとは。
何とも言えない表情を浮かべ、じ~~と自分の養父を見上げていると、
「で、ゆくゆくは、俺のお嫁さんになるんだぞ~?」
横槍を入れて来た龍一郎に、視線を山田から移したココは、ヘーゼルの瞳を見開いた。
「はぃいいい~~っ!?」
「いやぁ、俺。もう女に夢もロマンも持てなくなってね? じゃあ、ココを俺好みに育てたら、愉しいかなあって」
「~~~!?」
普通にしていれば、結構いい男なのに。
ヘラヘラ白い歯を見せて笑う龍一郎に、暗に「お前は実験用モルモットだ」と言われたココは絶句した。
「申し訳ございません。我が当主は、どうやら稚児趣味でド変態の上、光源氏症候群の気があるようなのです」
全然フォローになってない説明をする山田に、龍一郎が大きめの唇をガキのように尖らせる。
「だって、リーザ(ココの母親)が俺にならくれてやるって言ってたし。ココにとっても 父親 と 戸籍 と 王子様 と 将来の安定 が同時に手に入って、一番良い方法かと思ってさ~」
(だっ 誰が “王子様” じゃあああああ~~っ!?)
――――
※光源氏症候群
思いっきり造語。紫の上症候群、若紫症候群ともいう
未完成の少女を拉致監禁し、己好みに養育・調教したがる鬼畜野郎の総称