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いろはにほへと ~御手洗家の10の掟~
第2章 3歳児の憂鬱
己の孤軍奮闘ぶりに、早々に負けを認めたココ。
ぎゅっと大きな瞳を閉じると、半ばやけくそで目の前にある滑らかな頬にチューをしたのだった。
ちなみに3歳児のチューなんて(顔の凹凸が貧相だから)顔面をぺったり押し付けている様なものだが。
「ん~~♡ よく出来まちた、ココ! 良い子良い子っ」
そう褒め称えながら、お返しのチューを顔中に押し付けてくる男に耐え。
ようやく解放されたココは、その膝の上から降ろされた。
(チューの大安売りだぞ、ぐっすん)
ぐったり脱力しながら、元の席へと戻ろうとした丸っこい背に、
「良い子のココには、新しいドレス、たっくさん新調してあげようね~~♡」
一見、喜ぶべき龍一郎の言葉が、追い打ちを掛ける。
今もフリッフリのドレスを着さされたココは、床まで届く裾を小さな両手で握り締め、必死に喚いたのだった。
「~~っ もう、いりまちぇんっ!!!」