この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いろはにほへと ~御手洗家の10の掟~
第2章  3歳児の憂鬱

愛らしい顔を こんな(-_-)にしながら、ドン引きしているココに気付かないのか。

白い泡をシャワーで洗い流す男は、呑気に鼻歌なんか吹かしやがっていた。



なるほど。

こやつの頭の中は「面白い」か「面白くない」かしか無いらしい。

(つまり、いつかは私にも飽きて「面白くない」って思う日が来るってことだよね?)

ぺっちゃんこの鼻から吐き出された、軽い嘆息。



なんだ。

心配をして損をした。

能天気に構えていよう。

人生は “ケ・セラ・セラ” だ。

“なるようになる” しかならないし。

それに3歳の身空で出来る事なんて、今ある幸運を受け止めて必死に生きる事のみ――だ。



妙に達観した幼女は ばしゃっと音を立て、白濁の湯に満たされた浴槽の中に立ち上がった。

「パパぁ、もうココ、のぼせるぅ~~」

「え~~? もうちょっとだけ、待てない?」

顔を洗っている最中だった龍一郎が、目蓋を閉じたまま問うてくる。

泡オバケみたいだ。

「1人でお着替え、出来まちゅ~」

そう言いながら、そそくさと湯から出たココ。

ぺたぺたと軽い足音を立てながら、だだっ広い浴室を出ようとすると、

そこにはタイミング良く、大判のバスタオルを開いて待ち構えていた山田がいた。

「ちゃんと暖まりましたか? ココ様」

「あい」

にんまり笑ったココは、真っ白ふわふわのバスタオルに飛び込んだ。

(何だろな~? 子供の頃ってこういうのが、やけに楽しかったり嬉しかったりしてたな~?)

前世、父親や妹とお風呂に入れば。

上がってきた脱衣所で、母親が微笑みながらバスタオルでくるんでくれたっけ。

/99ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ