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いろはにほへと ~御手洗家の10の掟~
第2章  3歳児の憂鬱

常識では受け入れられぬ相手の言い分に、おったまげつつ。

ならば――と続けたのは、下記の問い。

「……は、働いてるんでしゅか?」

(てか、ちみ。ここ2ヶ月の間で外出したのなんて、10日有るか無いかだよねえ?)

何故か恐る恐る問うたココに対し、

「ううん。プータロー」

「……う゛っ うぇえ゛えええええ~~っ!?」

しれっと とんでもない事実を暴露してくる屋敷の主に、3歳児にあるまじき絶叫を上げたココ。

「だって俺、働かなくても金持ってるし~ <(・3・)>」

そんな、寄って集って袋叩きにしてやりたくなるセリフを発した男から、ようやく聞き出した経歴は “こう” だ。



4~5歳 : 小学校 課程修了

6~7歳 : 米国の中学校へ留学

8~9歳 : 米国の高校へ留学

10~12歳 : 米国の大学へ留学

13歳 : 同大学 修士課程

14~15歳 : 同大学 博士課程



「~~~っ!?」

(おい待て~~っっ この坊ちゃん、中3の年齢で博士号 取ったのかよw!?)



アレですか?

“神のわらわ” と書いて神童ってヤツですか?

こ~~~んなに、何も考えてなさそうな坊ちゃんが、

実は超天才とか、あっていいのか……っ!?



目の前で へらへら笑いながら、驚嘆する幼女を見下ろしている龍一郎の非凡ぶりに、

(こりゃ~……、えらい男に目を付けられてしまったわい……orz)

そう、内心頭を抱えたココなのだった。






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