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いろはにほへと ~御手洗家の10の掟~
第2章 3歳児の憂鬱
「何でさ?」
心外と言いたげに、奥二重の目を瞬く龍一郎に、
「プーは、イヤでちゅっ!」
(ついでに、変態はもっと嫌ですっ!!)
「え~? プーでも、金も資産も持ってるのにぃ~?」
なのに どうしてココが自分に靡かないのか、見当も付かない様子の龍一郎に、
3歳児が発したのは 全人格を否定する様な酷い答えだった。
「なんか人間として イヤでしゅっ!」
さすがにこの返答には、いつもひょうひょうとしている龍一郎もショックを受けたらしく。
「が~~ん……orz」
そんなアホっぽい効果音を発しながら、その場にしゃがみ込んだひょろ長い身体。
(……あ……、ヤバい、流石に言い過ぎたか……?)
本音とはいえ、オブラートに包む余裕すら無かったココが、そう反省し始めた頃。
「ゴシュジンサマ オチコンデル……。カワイソウ……」
自分を小脇に挟んだままのロボットが、ボソボソと呟き。
「ゴシュジンサマ キズツケル。ワタシ ユルサナイ」
「……ふぇ……?」
聞き流すには不穏なセリフを吐くロボットを、恐る恐る振り仰げば、
「ミカクニンセイブツ ワルイセイブツ。ワタシ シマツスル☠」
また「ピゴーン!」という警告音付きで、両目を真っ赤に滾らせた相手に、
「ふぎゃぁあああああ!?」
桃色の唇からは、今日何度目になるか判らぬ悲鳴が放たれた。
「ワタシノ コイガタキ……☠ レーザーデ マルヤキニスル☠」
そう呪いの言葉を吐きながら、両腕で幼女を抱え上げたロボットに、
「ひぃ……っっ」
引き攣った表情を浮かべたココは、失禁寸前の恐怖を味合わされたのだった。