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いろはにほへと ~御手洗家の10の掟~
第2章 3歳児の憂鬱
そんな中、出会ってしまった2人目の男――武田。
出逢いは、女友達に連れられて行ったリストランテ。
雇われシェフの武田は線が細く中性的で、男性恐怖症に陥っていた佳奈にも、まだ接しやすい人物だった。
28歳とは思えぬ佳奈の初心さに、2歳年下の武田は、
「佳奈さんが召し上がる姿は上品で、とても美味しそうで、見ていて幸せになります」
そんな歯の浮くセリフを繰り返し、距離を縮めてきた。
けれど、恋に臆病になっていた佳奈は、最初は全く相手にしなかった。
行きつけの店のシェフと客。
その関係は半年続き。
武田の料理の腕の確かさ、人柄の良さ。
そして高卒で料理の世界へ飛び込んだ、自分よりも社会人としては先輩の武田の、その年下とは思えぬ しっかりした言動に、
周りの勧めもあり、徐々に軟化していった佳奈。
知り合って1年後、ようやくデートをするまでの仲となり。
きちんと告白を受けた上で、及んだ性行為は……。
堪らなく良かった――!!
……あれだね。
セックスの上手下手は、チ○コの大小・長短は関係無いね!
武田は兎に角、佳奈を気遣ってくれた。
顔を覗き込み、声に耳を傾け、佳奈が少しでも痛がれば優しい言葉を掛け、すぐに違う官能を呼び起こしてくれた。
――で、
単純な佳奈は “遅れてやってきた思春期 & 発情期” ばりに、武田を盲目的にベタ惚れし。
付き合って僅か1ヶ月で、電撃入籍してしまった。
それが29歳の時――。
男臭さなど皆無で言葉尻も優しく、姉妹に囲まれ育った為に女性の扱いも上手。
尚且つ三十路にしてようやく “女としての悦び” を植え付けられた佳奈は、そんな武田の虜だった。
彼と同じ苗字になれたのが、この上なく嬉しかった。
大好きな彼と一つ屋根の下で過ごせる事に、これ以上無い幸せを感じていた。