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義父との秘密
第3章 柔肌の疼き
 小鳥のさえずりに和美は、目を覚ました。


(えっ、私のベッド?昨日の夜は?夢かな、でも、リアルな夢だったわ、、)


 昨夜の出来事は夢だったのかと、思った。


(裸?うそっ!そんな?!)


 和美の中に黒い疑問が広がった。


(うそよ!たまたまよ、ね?お義父さまと、そんな?)


 身体を起こし、身支度をしようと周囲を見回し、ベッドサイドに立った、が、


(えっ!あれが、まさか?!)


 和美の瞳に、凶々しい(まがまがしい)黒い光を反射する、革の首輪とピンクの淫具が、


「ぎゃっ!」


 異様な声を上げ、彼女は膝から崩折れた(くずおれた)。
 ペタンと床に尻餅を付き、和美は昨夜のことが脳裏に鮮やかに蘇った。


(そんな、あれが、夢じゃ、なかった、の?どうしよう?うそよ、ね、、でも、アレは、ホンモノ、、どうしよう?)


 激しい後悔と不安、羞恥と屈辱、様々な感情が彼女の中に渦巻き、捕らえられ身体の動きを奪った。


(おっ、目を覚ましたんだ。ヘタレ込んでるな。ショックが強すぎたかな?さて、どうなるかな?)


 忠良のパソコンには、一糸まとわぬ姿で尻餅をついたまま、茫然と(ぼうぜんと)している和美が映っていた。


(どれ、出かけてくるか。帰った時に、あの娘がいるかどうか、賭けだな。)


 しばらくパソコンを眺めていたが、画面の中の和美がノロノロと動きはじめたのを確かめた。
 パソコンを閉じ、忠良は身支度をして、何処かへ出かけた。

 和美は、意識しないでユックリと下着を身につけ、タンスの中から適当に衣装を引っ張り出し、身にまとった。


(どうしよう、、ここを出なきゃ?実家に帰らなきゃ!)


 彼女は迷いながら、旅行用のバッグに着替えを詰めはじめた。


(忠雄さんに、なんて言おう。お母さんとお父さんになんて言う?)


 瞳から涙があふれ続けた。
 ただ、痺れたように外に出ることだけを考えていた。
 携帯が突然鳴り出した。


「あなた?」


「うん、俺だ。変わったことはないかい?おやじに変わったことはないかね?」


 和美の中に動揺が走った。


「えっ、お義父さまは、お元気よ。自分の部屋で、お仕事をなさってるわ。」


「そうなんだ、安心したよ。じゃ。」


 まって、という前にプツッと切れた。
 和美は大急ぎでバッグをつめた。
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