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義父との秘密
第3章 柔肌の疼き
どんな風に家を飛び出したのか、覚えていなかった。
ただ、実家へ向かって急いでいた。
昨夜の出来事から逃れるために、和美は、列車に乗った。
(どうしよう、親には言えない。誰にも、言えない。忠雄さんにも言えない、どうするの?)
彼女の中を、同じ考えがグルグルと回っていた。
同時に昨夜の事がフラッシュバックし、和美の心が凍りついた。
(まっ、また、いやっ、、)
「あの、大丈夫ですか?」
隣の座席の女性が心配そうな顔で、和美をのぞきこんでいた。
「あっ、いえ、今朝からちょっと風邪気味で、ありがとうございます。」
そう答えながら、
(どうしよう、家に電話しなきゃ。でも、ホントのことは、言えない。でも、、)
次の駅で突然、彼女は列車を降りた。
自動販売機で缶コーヒーを買い、ゴクリッと一口、冷たいコーヒーが和美の心を潤わせた。
「もしもし、あっ、お母さん?和美です。どうしてるかなって?」
「あぁ、和美ちゃん。どうしたの?声の調子が違うわね。」
和美の背中に寒気が走った。
「ううん、ちょっと、お母さんの声が聞きたくなったの。それと、もうちょっとしたら、北海道に行くから、知らせとかなきゃって、思って、、」
自分の思いとは違うことを、唇から出て行く言葉を和美は呪った。
「へぇ、良いわね。じゃあ、忠雄さんも喜ぶわね。良かったじゃない。」
「えぇ、来週の水曜日に忠雄さんが帰ってくるから、その時に、引っ越しの時期とか決めようかなって思ってるの。」
「へぇ、それは良いわね。ハッキリ決まったら知らせてね。」
当たり障りのない会話をしている自分に、和美は腹が立ってきたが、
「うん、私も楽しみにしているの。」
次の言葉を発する前に、じゃあ、と母親の電話が切れた。
(言えば良かった。けど、言えないわね。どうしよう。)
ベンチに座り、次の列車を待とうか、バスにしようか、迷っていた。
ふうっと、息を吐き、隣のベンチをボンヤリと眺めていた。
若いカップルが、楽しげに話をしていたが、膝の上に四角い箱をのせ開くのを見ていた。
その瞬間、和美の脳裏に昨夜の情景がフラッシュバックした。
(いやっ、、)
思わず、両手で顔を覆った。 同時に、忠良の部屋のパソコンを思い出し、絶望に囚われた。
ただ、実家へ向かって急いでいた。
昨夜の出来事から逃れるために、和美は、列車に乗った。
(どうしよう、親には言えない。誰にも、言えない。忠雄さんにも言えない、どうするの?)
彼女の中を、同じ考えがグルグルと回っていた。
同時に昨夜の事がフラッシュバックし、和美の心が凍りついた。
(まっ、また、いやっ、、)
「あの、大丈夫ですか?」
隣の座席の女性が心配そうな顔で、和美をのぞきこんでいた。
「あっ、いえ、今朝からちょっと風邪気味で、ありがとうございます。」
そう答えながら、
(どうしよう、家に電話しなきゃ。でも、ホントのことは、言えない。でも、、)
次の駅で突然、彼女は列車を降りた。
自動販売機で缶コーヒーを買い、ゴクリッと一口、冷たいコーヒーが和美の心を潤わせた。
「もしもし、あっ、お母さん?和美です。どうしてるかなって?」
「あぁ、和美ちゃん。どうしたの?声の調子が違うわね。」
和美の背中に寒気が走った。
「ううん、ちょっと、お母さんの声が聞きたくなったの。それと、もうちょっとしたら、北海道に行くから、知らせとかなきゃって、思って、、」
自分の思いとは違うことを、唇から出て行く言葉を和美は呪った。
「へぇ、良いわね。じゃあ、忠雄さんも喜ぶわね。良かったじゃない。」
「えぇ、来週の水曜日に忠雄さんが帰ってくるから、その時に、引っ越しの時期とか決めようかなって思ってるの。」
「へぇ、それは良いわね。ハッキリ決まったら知らせてね。」
当たり障りのない会話をしている自分に、和美は腹が立ってきたが、
「うん、私も楽しみにしているの。」
次の言葉を発する前に、じゃあ、と母親の電話が切れた。
(言えば良かった。けど、言えないわね。どうしよう。)
ベンチに座り、次の列車を待とうか、バスにしようか、迷っていた。
ふうっと、息を吐き、隣のベンチをボンヤリと眺めていた。
若いカップルが、楽しげに話をしていたが、膝の上に四角い箱をのせ開くのを見ていた。
その瞬間、和美の脳裏に昨夜の情景がフラッシュバックした。
(いやっ、、)
思わず、両手で顔を覆った。 同時に、忠良の部屋のパソコンを思い出し、絶望に囚われた。