この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
義父との秘密
第3章 柔肌の疼き
 どんな風に家を飛び出したのか、覚えていなかった。
 ただ、実家へ向かって急いでいた。
 昨夜の出来事から逃れるために、和美は、列車に乗った。


(どうしよう、親には言えない。誰にも、言えない。忠雄さんにも言えない、どうするの?)


 彼女の中を、同じ考えがグルグルと回っていた。
 同時に昨夜の事がフラッシュバックし、和美の心が凍りついた。


(まっ、また、いやっ、、)


「あの、大丈夫ですか?」


 隣の座席の女性が心配そうな顔で、和美をのぞきこんでいた。


「あっ、いえ、今朝からちょっと風邪気味で、ありがとうございます。」


 そう答えながら、


(どうしよう、家に電話しなきゃ。でも、ホントのことは、言えない。でも、、)

 次の駅で突然、彼女は列車を降りた。
 自動販売機で缶コーヒーを買い、ゴクリッと一口、冷たいコーヒーが和美の心を潤わせた。

「もしもし、あっ、お母さん?和美です。どうしてるかなって?」


「あぁ、和美ちゃん。どうしたの?声の調子が違うわね。」


 和美の背中に寒気が走った。

「ううん、ちょっと、お母さんの声が聞きたくなったの。それと、もうちょっとしたら、北海道に行くから、知らせとかなきゃって、思って、、」


 自分の思いとは違うことを、唇から出て行く言葉を和美は呪った。


「へぇ、良いわね。じゃあ、忠雄さんも喜ぶわね。良かったじゃない。」


「えぇ、来週の水曜日に忠雄さんが帰ってくるから、その時に、引っ越しの時期とか決めようかなって思ってるの。」


「へぇ、それは良いわね。ハッキリ決まったら知らせてね。」


 当たり障りのない会話をしている自分に、和美は腹が立ってきたが、


「うん、私も楽しみにしているの。」


 次の言葉を発する前に、じゃあ、と母親の電話が切れた。


(言えば良かった。けど、言えないわね。どうしよう。)


 ベンチに座り、次の列車を待とうか、バスにしようか、迷っていた。
 ふうっと、息を吐き、隣のベンチをボンヤリと眺めていた。
 若いカップルが、楽しげに話をしていたが、膝の上に四角い箱をのせ開くのを見ていた。
 その瞬間、和美の脳裏に昨夜の情景がフラッシュバックした。


(いやっ、、)


 思わず、両手で顔を覆った。 同時に、忠良の部屋のパソコンを思い出し、絶望に囚われた。
/105ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ