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義父との秘密
第3章 柔肌の疼き
 忠良は、再びパソコンを取り出し、和美の動きを追った。
 そして、画面を切り替え和美の部屋を映した。


(やっぱり、ここか。彼女の目に止まらずに行くのは、無理だな。スリープ状態かな?確かめるか?)


 和美の隠したノートパソコンには無線LANを内蔵しているため、手元の双子パソコンを使えば状態チェックが可能だった。
 マウスを動かし、


(うん、スリープだ。起こすか?びっくりするだろうな。あの娘は中身を消すかな?)


 パソコンをしまい、下へ降りていった。
 リビングに入ると和美はいなかった。
 コーヒーメーカーからマグカップへコーヒーを移し、タバコに火をつけた。


「あっ、お義父さま。コーヒーでしたら、お持ちしましたのに。」


(どうしよう、顔合わせちゃった。昨日の夜みたいにはなりたくないわ。どうしよう!)


 和美に昨夜の記憶と恐怖が蘇った。
 唇を噛み、辛うじて自分を抑えこんだ。


「和美さん、ありがとう。気を使わせて悪いね。お風呂は外で入ってきたからね。じゃ、これで上にあがるわ。」


(普段通りにって感じかな。さて、開けてビックリ玉手箱だな。)


 忠良は心の中でほくそ笑んだ。


「お休み、和美。」


 タバコの火を消し立ち上がった。


「あっ、はい、お休みなさい。」


 和美と、呼び捨てにされた瞬間、彼女の背中に寒気が走った。


(なんなの、いけない、平静にならなきゃ。平静に、パソコン、まだ、だめよ。まだ、、)


 辛うじて、自分を抑えこんだ。

 部屋に戻った忠良は、パソコンの画面をチェックしはじめた。


(ほほう、面白い娘だな。目的はほぼ達成したはずなのに、実家に帰らなかったんだ。しかも、このまま居ようとしてるし。)


 忠良が部屋に戻るのを確かめると、和美は急いで片付けを済ませ自分の部屋に戻り、床にヘタリこんだ。


「どうしよう、このままなんてしゃくだわ。でも、人には言えない。警察なんて行ったら、あのパソコンの中身が!」


 思わず声に出していた。
 和美はパソコンを隠してあるクローゼットの方を見ていた。


(確かめなきゃ、消さなきゃ。そうよね、そのために帰って来たんだから!)


 クローゼットからパソコンを取り出し、目覚めるのを待った。
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