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義父との秘密
第3章 柔肌の疼き
「まあ、顔繋ぎだけだから構わないが、ね。それに、社長の候補者は他にもいるしな。忠雄が出られないなら、お前だけでもと、思ったんだが。残念だな。」


(他にも候補者?うそっ!忠雄さんのため、いや、もう、あんな目には、でも忠雄さんの、、)


 和美は唇を噛み、自分を納得させるように小さく頷き。


「お義父様、パーティーに出席すれば、忠雄さんの後継ぎは決まるんでしょうか?」


 忠義の中に勝利の喜びと、どす黒い欲望が燃えた。
 忠義は少し考えるような顔で、


「あぁ、業界の主なメンバーに紹介しておけば、それが、お披露目ということになるね。後継ぎのね。」


 和美が下唇を噛んだ。


(どうしよう、出なきゃ私のせいで忠雄さんの社長がなくなる、かも、だめよ、罠よ、罠、、)


「あの時間は十一時なんですね?」


「あぁ、その通りだ。十一時に迎えが来るからね。」


(かかったな。ユックリだ。獲物はじっくり楽しませてもらわなきゃな。逃げられちゃ、元も子もないからな。)


「お義父様とご一緒に車に乗ればよろしいのでしょうか?」


「あぁ、私と車に乗れば連れて行ってくれる。」


(ばか、罠よ!罠!でも、罠じゃなかったら?)


 和美が決断したように、


「あの、どんな支度をすればいいんでしょ。公式なパーティーって、あまり経験がないものですから、、」


(ばっ、馬鹿、相手の思うツボよ。)


 忠義はニヤリッとしながら、


「そうだね、和美。和服にしなさい。お花の会に行った時のやつが、いいだろうね。」


「えっ?着物、ですか?わかりました。」


(くくっ、和服の意味がわかったらおどろくぞ。)


「あぁ、それでいいね。十一時にはここにくるんだよ。いいね。」


 和美はコクリッとうなずき、自分達の部屋に入って行った。
 ニヤリッとしながら忠義は、自分の部屋へ引っ込んだ。


(さて、支度をするか!パーティーが終わってからが、お楽しみだな。ふふふ。)


 パソコンをチェックすると、和美がタンスから和服を出し、部屋のアチコチを調べているのが映し出されていた。


(ふふふ、カメラを探してるな。簡単にはわからんだろうなぁ。見つかっても、別のがあるしな。見つかると面白いんだが、、)


 しばらく和美の様子を見ていたが、忠義もスーツを取り出し身支度をはじめた。
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