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義父との秘密
第3章 柔肌の疼き
 言いながら、忠義は手の動きを止めるどころか、更に大胆に膝の裏側から太腿の内側へゆっくり、和美の反応を楽しむように動いた。


「お、お義父様、やめて、運転手さんに、気づかれます。」


 和美が哀願するように、声を殺してささやいた。


「運転手には、見えても構わんさ。だが、秘書にヤキモチを妬かせてもいかんからな。ふふふ、、。」


(イタズラはこれくらいで、いいか。しかし、叫ばなかったな。逃げようとも、してないしな。)


 忠義は、惜しむようにゆっくりと手を引っ込めた。


(あぁ、引っ込めてくれた。どうしよう、このままじゃ、、。)


 和美の中に迷いが生まれた。


「社長、会場に着かれましたら、控室をご用意してますので、そちらに入られますか?」


 突然、麻奈美が声をかけて聞いた。


(私がいるのに、なぜ?ヤキモチ、だめよ。きょうは彼のお披露目でもあるのよ。でも、、、)


 麻奈美は車に乗った時から、後部座席の忠義と和美の様子を、チラチラと伺うように見ていた。
 忠義が和美の膝に置いた時から、激しい嫉妬の炎に焼かれていた。


「ああ、そっちに麻奈美の婚約者も待っているのかね?」


(えっ?麻奈美って、この秘書を呼び捨てにしたの?この娘が奴隷、まさか?)


 和美の中に漠然とした不安が頭をもたげた。


「はい、彼も社長に会えるのを楽しみにしていましたから、、。」


「そうかぁ、加納君は、麻奈美の婚約者だから、配置も考えてやらんとな。」


 麻奈美は婚約者のことを出され、少しうろたえた。


「配置替えって、まだ彼は三年しかたってませんが?」


(いけない、先生にこんなことを言っちゃ、だめよ!)


 聞いてしまって、麻奈美は唇を噛んでいた。


「そうか、麻奈美は知らないんだね。加納君の希望なんだよね。配置を換えは、ね。」


「えっ!私にも言わなかったのに、どうして社長に?」


(うそっ!どうして、私が聞いてないのに!)


 ロングヘアーの美人秘書の顔に動揺が浮かんだ。


「詳しいことは、本人に聞いてみなさい。結婚式のあとには新しい職場に変わっているよ。」


「けっ、結婚式のあとって、もうすぐじゃ、、。」
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