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義父との秘密
第5章 柔肌地獄
 和美を部屋の奥の三角形の木製の台が並んだ場所へ連れていった。
 麻奈美が、懐かしそうに見ながら一台の木馬の前で和美と冴子を止めた。


「先生、最初のでよろしいでしょうか?この人にはまだ、他のは難しいと思うので、どうでしょうか?」


 冴子と二人係りで和美に手錠をかけながら、麻奈美が忠良に聞いた。


「いや、黒の木馬にするんだ麻奈美。最初の木馬じゃ、和美にゃ物足りないよ。」


「先生、それはこの人が私より素質が高いってことですか?」


 次の瞬間、麻奈美の頬が激しく鳴った。
 ギャッと叫んで彼女が吹き飛んでいた。


「麻奈美、わかりきったことを聞くんじゃない!さっさと黒の木馬に座らせるんだ。」


「はい、先生、申し訳ありません。私のヤキモチです。」


「ヨシヨシ、正直で良いぞ。そのヤキモチを後で発散させてやるよ、麻奈美。冴子、手錠と鎖を繋ぐんだ。」


 和美の手錠と天井からの鎖をフックで繋ぎ、冴子は手元のリモコンを押した。
 ヴィーンという音と共に、鎖が巻き取られ和美の両手が頭の上に上がった。


「先生、この辺でいいでしょうか?」


 冴子が短くいった。
 忠良がチェックしながら、


「良いぞ、冴子。和美を木馬に乗せるんだ。麻奈美、ロウソクと鞭、タコ糸の用意は出来てるのか?」


「はい、先生。鈴とクランプも揃えてあります。」


(うそっ、クランプ?鈴?何をされるの?黒の木馬って?)


 絶望しながら、和美の中を新たな恐怖が襲った。


「先輩、黒の木馬って、そんなに凄いんですか?」


 冴子が無邪気に聞いた。


「えっ、あぁ、あなたはまだ木馬の経験がなかったわね。そうね、木馬もいろんな物があるけど黒の木馬は、お楽しみってところかな?」


 答えながら麻奈美は、少し冴子に優越感を抱いた。


(そうね、この娘はまだだったわね。なのに和美さんだけは、なんで、黒の木馬なの?)


 同時に、和美への嫉妬心が燃え上がるのを抑えられなかった。
 嫌がる和美を黒い三角形の木に薄くラバー張りの木馬の上に、麻奈美と冴子の二人がかりでのせた。


「ヨシヨシ、上手く乗せたね。さあて、どれを使うかな?お前ならどれが欲しいね、麻奈美?」


 麻奈美の気持ちを見透かしたような忠良の言葉に、彼女は唇を噛んだ。


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