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春うらら
第13章 それぞれの週末~誠~
「あの、どうされました?大丈夫ですか?」
心配そうに彼女が女に話しかける。その横で薫さんは彼女に「俺、先に店に戻るね。」と言い残し店に入って行った。単にお客を送りに出た程度だったのだろう。
未だに彼女を見てフリーズしている女・・・困った彼女がもう一度声をかけようとした時、
「う、うら、麗せんぱーい・・・」
と突然、泣きながら彼女に抱きつく・・・はぁ?
「よかったぁ・・・また会えた。 生きてた。」
茫然と抱き合う二人を見る・・・彼女は誰にでも抱きつかれる・・・最近では見慣れてきたパターンだ、でも珍しく今日は相手が『女』だ、知り合い?
『生きてた』ってなんだ?
「ちぃ?・・・」
彼女の表情が見えない。どんな関係?『ちぃ』って名前か?さっきはそんな名前じゃなかったような・・・?
「ちぃ・・・なの?・・・ 心配かけて・・・ごめんね」
と二人で抱き合っている。その時、ふっと彼女が俺を思い出したように顔を上げる、少し涙のたまった瞳・・・やばい、欲しい。ゴクリと喉がなる・・・。