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春うらら
第13章 それぞれの週末~誠~
『ちぃ』があからさまに表情を強張らせて彼女へ目線を向ける。
彼女は優しい目線で『ちぃ』をみてから、俺に向き直る。
「私とちぃ、千景とは小さなころからスイミングスクールが一緒でした。
学校区の違いでずっとプールでしか会ったことなかったんです。
もちろん、お互いの連絡先も知りませんでした。
幼い頃の友人にありがちな曖昧なのに当然のような関係でした。
1つ年下の千景が私の通う高校に入学してきたのを入学式で知り2人で一緒にいる時間が増えるねって話しました。」
そこで彼女は少し言葉を止めた。
少し、目を泳がせてから、小さく息を吐くと千景の握った手に手を乗せて続けた。