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春うらら
第16章 それぞれの週末~武志・カリン~

キッチンでカリンと料理をはじめる。
いつも以上に真剣なカリンを見ながらサラダを作る。
カリンにはまだ庖丁を使わせてないので湯剥きしたトマトの角切りだけは俺がやる。
あとは手でちぎったりスプーンで代用したり・・・真剣に料理をしているカリンを見ると本当に時が過ぎるのは早いと感じる。

あんなに泣き虫だったカリンがこんなにしっかりとしたのはレイちゃんのおかげと思う。
彼女はカリンを天使と呼ぶが、俺とカリンにとっても彼女はとても大切な存在だ。


昨晩、友晴が訪ねてきて彼女についていろいろ聞いてきたが正直何も知らないので答えられなかった。

・・・もし知っていたら俺は答えただろうか?
友晴とは従妹だし年も近いし割と仲良くしているが、あいつの女の人に対する考え方が好きになれない。
「結婚は会社のためにする」と豪語するところもそうだ・・・
「会長が薦めるくらいだからきっとどこかの会社の重役以上クラスの娘のはずだ」と迫られた。
まぁ知らないものは知らない。
うちの両親はなんとなく知っていそうだけど・・・友晴があの人たちに聞くことはないだろうし、聞かれても答えないだろう。
あの後、ルイの部屋に行くと言っていたから本名ぐらいは聞いたかもしれない。

きっと調べるんだろうなぁ・・・そんなに本人の背景ばかりを気にしても仕方ないんじゃないのかなぁ・・・本当はどっかのお嬢様なのかなぁ?
じいちゃんは知ってて会わせたんだろうか?

でもそれなら会社を継ぐ友晴だけに会せればいい。


良くわからん・・・
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