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春うらら
第16章 それぞれの週末~武志・カリン~
その時バスタオルを奪ったルイが広げたバスタオルで麗ちゃんを包み、そのまま抱きしめた。
「麗ちゃん、下着が・・・」と耳元で囁かれ真っ赤になる麗ちゃん。
「す、すみません・・・・・つい、夢中になってしまって(照)タオルお借りします。」
ルイの胸の中から麗ちゃんが顔を上げてルイを見つめた。
少し、染まった頬に水しぶきでしっとりと濡れた髪、照れてうるんだ瞳・・・
気が付けば、ルイの唇が麗ちゃんの唇をふさいでいた・・・長いような短いような、時が止まったような感じ・・・
見ているこっちが照れてしまいそうなほど、美しいキスシーンだった。
「きれーい」
足元から聞こえるカリンの声ではっと我に返る・・・
「カリン、風邪ひかない様に拭こうね」といつもより大きな声で伝え、カリンにタオルをかぶせる。「そのままお風呂に行って着替えようか?」と声をかけるとタオルの中から
「おねえちゃんと一緒に入る!」と曇った声が聞こえる。
「あ、ああ・・カ、カ、カリンちゃん、わ、わたし・・・」と彼女の慌てた声が聞こえた。
振り向くと真っ赤になってタオルに顔を隠した麗ちゃん。
その声とほぼ同時に包んでいた腕をほどいたルイが優しく微笑みながらカリンをバスルームへと促す俺に目線を向けてカリンに声をかける。
「カリンちゃん、麗ちゃんは着替えがないからパパと行って着替えておいで。」
「はーい、おねえちゃん待っててね~、まだ帰らないでね・・・」
二人がバスルームへ消えていく。