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春うらら
第16章 それぞれの週末~武志・カリン~
カリンのほうへ行く前にルイを振り向いた麗ちゃんは
「ルイさん、私の入院理由・・・聞いたら『何か』変わるかも知れません。
ルイさんは変わらないと信じています。私もきっと何も変わりません、でも私たちの周りが私たちの事を変えようとすると思います。
今、とても楽しい関係が続います。この関係と時間をなくしたくないと思っています。
でも、先ほどルイさんが『本気』と言ってくれました。もし、うぬぼれでなく本気であれば私の入院理由を知っていただきたいです。
でも、私からは怖くて言えません。
武志さんのご両親から聞いてもらえますか?
すべてご存知です。武志さんのお父さんは私の主治医ですから。」
ルイに向かって表情を引き締めて伝えた。
「え? おじさんの患者・・・」
「おねえちゃーん、こっちこっち!」カリンがじれて麗ちゃんを呼ぶ。
「はーい」
ルイはカリンと麗ちゃんを眺めながら
「武志さん、知ってた・・・?」
「何も・・・親父の勤務してる病院に入院中にカリンと知り合ったって事しか・・・」
俺は本当に何も知らなかった。
「・・・おじさんって『心療内科』だったよね?・・・」
「・・・ああ・・・今日、お袋と出掛けてるけど、休みだから夕方には帰ってくる、このままうちで待っておく??」
ルイは何も返事をしなかった。