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春うらら
第17章 麗の過去 中学時代

と正門を抜け駅に向かう、電車を待つ人は少なく電車を待つ間、今日図書室で借りた本を読む。

あ、郡兄からメールだ。

=電話した?何かあった?向こうの説明会で下りの電車乗ったところだけど、今どこ?=
=今、駅。電車待ちだよ=
=雅は?=
=遊びに行った=
=駅着いたら、そこから一緒に帰ろう。降りたらホームで待ってて=
=了解!=

あ、そうだ駅着いたら、あの文具屋に行って、新しい栞を買わなきゃ・・・
ちょうど入って来た電車に乗るドアのすぐ横の席に座って本の続きを読む。

隣の駅で、賑やかな女子高生が乗ってくる。この近辺で、入試問題に名前を書けば入れると有名な女子高の生徒。元の制服が分からないような着方をして、化粧・つけまつげ・髪の色に至っては人種を疑いたくなるような色だ

・・・この人達が麗は苦手だった、というより嫌いだった。そして、向こうも麗のようなお嬢様は大嫌いだった。

別に知り合いでもないが、いつも同じような時間帯の電車に乗るのでなんとなく『いつもいる人』という感じでお互いが知っていた。

なるべく、目を合わさないようにして本に集中する。こちらを見ながら何か言っているが、知らないふりを決める。
いつもの4人、きっとお兄ちゃんを探しているのだろう。
それか、郡兄か・・・。

2人とももてるからなぁ・・・。

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