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春うらら
第17章 麗の過去 中学時代
改札口で雅を待つ、改札の向こうに携帯を取り出す雅を見て手をあげる。
珍しく慌てた顔をしている。ひとまず2人で派出所に向かう。
そろそろ、女将さんも着くころだ。
派出所に着くと部屋の前で女将さんが警察官と話していた。
「やっぱり、血は争えんねぇ・・・ゆかりちゃんの子供のころそっくりだ。」
「はい、その節は大変ご迷惑をおかけいたしました。さらに親子そろってお世話になるとは・・・」
「まぁ、今回、麗ちゃんは一方的にやられただけで完全に被害者だから気にすることはないよ・・・お、来た来た、おい、雅くんこんなに血の気の多い娘を1人で帰らせるのは関心出来んなぁ、用がある時は、ほれ、郡司君に頼まなきゃ。なぁ。」
まだ状況の分からない雅は曖昧に「はい」と答えただけだった。
「そうそう、ゆかりちゃん、今回のこと申し訳ないが麗ちゃんが怪我をしてしまってね。裏の総合病院で診察して診断書をもらってきて欲しいんだよ。
今、加害者の親御さんもすでに来て待っている。事情は聞いたから麗ちゃんはもう病院に行っていい、雅君と郡司君このまま病院連れてってやって?
で、ゆかりちゃんは今後の事を向こうさんと話してもらいたいんだ。時間大丈夫かい?」
「ははは、まぁ覚悟してきましたから、あの当時の母の気持ちがよくわかります。」
と言いながら控室に揃って入っていった。