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春うらら
第17章 麗の過去 中学時代
と、俺の言葉にわずか、父の表情が動いた。一瞬目を伏せると少し憐みを含んだ目で俺を見た後、『任せろ』という表情になり、父が母に目配せをする。

「さぁ。雅さんも麗さんもお話はお食事をしながらにしませんか?」
というと麗が部屋の内線で厨房に食事初めの連絡を入れた。

次々と運ばれる料理、家族の日ゆえにデザート以外はすべて一度に運び入れてもらう。
料理がそろったところで、父さんが、じゃぁ頂きましょうか、と声をかけると家族全員が手を合わせて頂きますと料理への感謝を述べる。
麗が飲み物を準備しながら
「小田さんは何を飲まれますか?お茶は温かいほうがいいですか冷たい方がいいですか?それともアルコールにされますか?」
「あ、あ、えっと・・・・」
「私たちは未成年ですから冷たいお茶を頂きます。アルコール類はビールか冷酒ぐらいしか準備がありませんが、どういたしましょう?」
丁寧に尋ねる麗、尋ねながらも、手元は順々に飲み物を準備していく、兄弟には冷茶、父には生ビールを母には冷酒を、そんな手元を見ながら彼女は俺の方を見る。まぁ、飲めるのは知っているし、好きにすればいいと思うのでさりげなく視線をそらす。
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