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春うらら
第18章 18 麗の過去 高校時代
次の日には麗と池田君の付き合いは学校中で知られていた。
それもそのはず、池田君の独占欲は筋金入りで朝のHRまでの時間や休み時間誰も麗に近づけない状態・・・
朝、電車を降りるまでは一緒にいる麗だが、駅の改札口を出ると待っている池田君と手を繋いで歩いて行く。
池田君はバスで来るので改札口で待っている。改札口の池田君に気付かずにタクトが麗のランチタイムバックを持って改札口を出て麗がバックを受取ろうとすると、「ありがとう、ここから麗のバックは俺が持つから」と麗とタクトの間に入りしっかりと拒絶の表情を見せた。
もちろん麗は彼の背中にいるので彼の表情は見えない。
そっと後ろから麗が覗き込んで「タっくんありがとう、私、朗さんと学校行くから・・・みんな、お兄ちゃんまたね?」と小さく手を振って池田君と手を繋いで歩いて行った。
それ以来、俺たちでさえも麗とゆっくり話す事が出来ないほどの独占欲を見せた。
金曜日の昼休み、いつものように麗と池田君が一緒にお昼を食べて今日帰りの予定を話していた頃、俺の携帯に母から祖母である大女将の為に2人とも直接家に帰るように連絡が来た、帰りは将さんが学校の門で待っているからなるべく早く帰ってくるように・・・と・・・
大女将の用事・・・仕方ない・・・麗にメールする。
=今日は門に将さんが迎えに来る、大女将の用事らしい・・・一緒に帰るから昇降口で待ってて。
この時、俺がメールでなく、電話しておけば良かったのかもしれないが、いつもメールで済ませていたからこの時も返信がないことに何も不安を持ってなかった。