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春うらら
第6章 2次会
店は静かにジャズの流れるしっとりした感じのバーで、会員制…とまではいかないが、紹介がないと入れないようだ。
実際、俺達の後ろから入って来た客は「満席」と断られて帰って行った。

店内を進んで、坂口さんと彼女がカウンター向こうのオーナーらしき女性に声をかけると、人数を確認して奥のボックスに案内してくれた。


席に着いてすぐシャンパンが運ばれて来た。


…これって、確か高い代名詞のようなシャンパン…

しかも…ピンクだし…


「レイちゃん、誕生日おめでとう。こんなイケメンに囲まれて…愛されてるねぇ。
 ふふふ…それにこのシャンパンはマスターから預かったの…

 レイちゃんにご執心なあのお客様からだって(笑)マスターが店を休むからたぶん飲み来るから渡してあげてって。ふふふ…当たったね。」

「ははは、ご執心って…あの人ですよねぇ。ちょっと苦手なんですよね。どこまで本気かわからないから(苦笑)」

「あら~、全部本気と思うわよ。
 この際家でも車でも貰っちゃえば?お金は余っている人なんだし・・・


 なんてね、そんなこと出来ないよね。まぁ私はレイちゃんのそんなところも含めて大好きよ。」

「ありがとうございます。私もママのこと大好きです。」

「さぁさぁ、あ、乾杯はもう二人来てからのほうがいい?」
「いや平気、主役は『レイ』だから。そうそう、圭太も誠もここからは『レイ』でよろしく。バイトとかは本名使ってないから。協力しろよ。」

まぁ、いわゆる源氏名ってやつだなぁ なんて言いながらシャンパンを注ぐ。

本日2度目のカンパーイ!

の直後、圭太のスマホが震えた。
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