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春うらら
第10章 麗とルイ
「こんにちは、」なんて二人で言いながら二人で勝手知ったるじいちゃんの部屋に向かう。
部屋に入ると、兄貴がじいちゃんとソファーで寛いで話している。
ちなみに俺は二人兄弟の二男、兄貴の友晴は既に社会人となり、親父の会社で勤めている。
俺はイギリス人の母親の血を強くひいている。外国人と間違われることもあるが、兄貴は悔しいくらい父親似で俺からみても凛々しいイケメンだ。この整った男らしい顔に何度憧れたことか・・・

「なんだ、やっぱりじいちゃん仮病じゃん!」

「ルイ、挨拶も出来ないのか?」と兄にたしなめられる。
「だって、病気見舞いを強要されてあわてて来たのに、明らかに元気だし。」なんていうと武志さんが
「まぁ、元気だと思ってて、やっぱり元気だったんだからいいんじゃない?にしても、おじいちゃん…わざわざ呼ぶなんて、何かあったの?他にはだれが来るの?」
「武志、久しぶり。呼んだのは俺達3人だけだって。」

兄貴の言葉に2人そろってじいちゃんを見る。

コホンとわざとらしく咳払いをしてじいちゃんが言った。

「仮病じゃない!本当に病気だ。お前たち3人のうち誰かが治してくれるといいんだが…」
「おじいちゃん?もう少しわかりやすく話してくれないかな?まず、何の病気なの?」といつも通り穏やかな武志さんが聞くと、兄貴が苦笑しながら「『恋わずらい』らしい。」と・・・・・・・


「「はぁ??」」武志さんと揃ってしまった。
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