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狂った愛に縛られて。
第1章 兄とのハジメテ。

(…えっ?!)


ガタガタという物音と、時折聞こえる話し声と女の人の泣き声が微かに聞こえる…。


(大丈夫…かな?…ケンカ…とか?でも、どうもできないし…)


なんだか落ち着かなくなった私は、一階へ降りることにした。

部屋を出て、奏さんの部屋を横切って階段を降りる。

奏さんの部屋の前に差し掛かった時…。


『…あん、あぁ』『んんっ』


ドアからはっきり聞こえた、この声…!!


いやっ!私は階段を駆け下りた。

テレビをつけてあったかい飲み物を飲み落ち着ける。


(…奏さんの彼女さんかな…大人だし…イケメンなんだから、彼女くらい…でも、あれ?もう一人いるんじゃ…あれ?あれ?もーよくわかんない…ってそうゆうことしてたかわかんないしっ!あたしの変態!!)


そうこう考えてるうちにリビングのソファーで眠ってしまった。





ガタン



物音でうっすらと目がさめる

(あれ…寝ちゃってた…今何時…?うそ!7時!ゆうはん…!)


「あれ?さやちゃん起こしちゃった?ごめんね、気持よさそうに寝てたからそのままにしてた。」

「あ!いえ、その、ごめんなさい!っ!!」

振り向いて声のした方を見ると、奏さんがいた。

スエットの下に上半身裸で頭をタオルでゴシゴシとふいている。


「…あーごめん、つい。くせで…」

うつむいた、私にあははと謝る。

「あ、いえ。家ですし、その気にしないでください!あ、お夕飯どうしますか?食べますか?」

「そうだね、頂いちゃおうかな?準備手伝うよ。」


「ありがとうございます。」


Tシャツを着た奏さんと並んで台所に立つ。

「今日のご飯は、肉じゃがかぁ…いい嫁さんになるよ、さやちゃん。」そう言ってひょいとじゃがいもを摘んで頬張る。

「あっ奏さん、お行儀悪いですよっ」

「ごめんごめん、男所帯だからねーついつい。でも、まぢうまいよ。」

「もー…はい、これ運んでください」

「はーい」

ご飯やお味噌汁も並べ終えて、食卓に着く。
2人で向かい合って食べるのは、なんだか変な感じだ。

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