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流れる星のように
第2章 母と姉
「幸恵ちゃん、赤ちゃんの名前、決めた?」
田村は幸恵の捲り上げた服を下ろしながら尋ねた。

「名前ですか…まだ…」

「そろそろ決めてあげないと。」
田村はハンカチで口を拭きながら言った。

「私…よく分からなくて…田村さん、決めて下さい。」
幸恵は田村に名付け親になって欲しいと頼んだ。

田村は暫く考え
「華子…誰からも愛される華やかな子に育つように…どうかな?」

「はい…それがいいです。ありがとうございます。」

幸恵は、幸せに恵まれるという意味を込めた名前だったが、ちっとも幸せでは無かったと思った。

この子は名前負けしないように…と願ったのだった。


田村は華子の出生届を出しに出掛けた。

「自分の子供の出生届も出していないのに…」
田村は苦笑した。






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