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流れる星のように
第3章 見えない流れ星
流星は自分の事をよく知らないくせに言いよる女に嫌悪感を抱いていた。

「俺を白馬に乗った清らかな王子様とでも思っているのか…」

大学近くの喫茶店で働く女性は、喫茶店にたまに行くと馴れ馴れしく話しかけ、何気にいろんな事を聞いてくる。
そして、空いている時間を尋ね誘う。

流星は喫茶店ではゆっくりと本を読みたかった。
その喫茶店は落ち着いた雰囲気で気に入っていたが、1人の煩い女店員の為に不快な空間になりつつあった。

仕方無しに食事に行く約束をした。
女は露出の多い服にたっぷりの香水をつけ、厚い化粧をして現れた。

女に何を食べたいかと尋ねると、「何でもいい」と答えた。
ちょうど目の前のハンバーガーショップがあり、入ろうとすると、女は立ち止まった。

「何でもいいんだろ?」
「え〜デートにファーストフード?」
「何でもいいんじゃないじゃん。」
「ファーストフード以外がいい。」
「じゃ、あそこに。」
牛丼屋を指差すと、
「そういうところじゃなくて、お洒落な…」
女はそう言い、心当たりの店を案内した。

洒落た感じのイタリアンレストランだった。
メニューを見て、
「何にする?」流星が尋ねると「何でもいい」と返事が。
またかと思い、
ウェイトレスに、自分の食べたい物を注文し、女の分は、「何でもいいから。」と、答えた。
ウェイトレスは、困惑していた。
慌てて女は流星と同じ物を注文した。

食事中質問攻めだった。
高校はどこだの、家は何をしているだの、どこに住んでいるだの、将来は何科の医者になりたいだの、開業するのかだのと、酷い質問だった。

流星は、食事を終えると自分の分だけ払って店を出た。
女は慌てて財布を出し自分の分を払っていた。

流星は帰ろうとすると、女は流星の腕に絡みつき甘えた声で「まだ帰りたくないの。」
と言い、身体をつけてきた。

顔は可愛いが性格は最低な女だなと流星は思った。





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