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流れる星のように
第4章 矛盾
早朝に田村から電話がかかってきた。

うとうとしていた流星はビクッとし慌てて出た。

「緑さんが…」

「緑?いたの?」

「溺死で見つかったそうだ。」

「は?」

流星はその後の事は覚えていなかった。

力が抜け、「何故?」としか頭の中に浮かばなかった。


田村は流星のアパートにやってきた。
放心状態の流星を車に乗せ自分の家に連れ帰った。

検死をし、自殺となった緑は妊娠したばかりだったようだ。
緑はまだ気づいていなかっただろう。

流星の子供を欲しがっていた。
妊娠を知っていたら絶対に死を選んだりしなかったに違いないと流星は悔し泣きをした。

緑を愛していた流星は、緑の自殺を許せなかった。
そして、緑を守る事が出来ずにいた自分が許せなかった。

流星は、暫く病院を休んだ。
部屋に籠もり緑との別れも出来ずにいた。

田村は緑の父親に緑の遺品を譲って貰った。
夫が緑にプレゼントした物ではない指輪と時計だった。
高価な物ではなかったが、二人で選び贈り合ったものだった。

流星は指輪と時計を握り締めていた。

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