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流れる星のように
第4章 矛盾
華子の政治家の夫が外務大臣となり官僚となった。

妻は医師で仕事を持つ女性を支援し協力しているとイメージアップをし、子育ても家事も普通にしている事をインタビューなどで話し、たまに夫婦二人でデートをしていると言い、現に二人でよく出掛けていた。

スキャンダルは絶対にダメで華子も気をつけていた。
晴夫も火の無いところに煙りは出ないと、かなり気をつけていた。

華子は36歳になり、娘は18歳になっていた。

進路面接で華子は学校に出掛けた。
晴夫の方針で小学校から近所の公立の学校に通っていた。

高校は隣街の進学校に通っていたのだ。

学校に行くと華子は娘と合流し、教室に向かって廊下を歩いていた。
前から見覚えのある人が歩いてきた。

悠だった。

華子は心が乱れてしまった。
悠は、華子に軽く会釈をし通り過ぎようとし、振り返った。

「華子?」
華子の鼓動が激しくなった。

「お久しぶりです…」
華子は会釈した。

「ああ…だからか…」
華子の娘を見つめた。

華子の娘は顔を赤くしながら母親を見つめていた。

「華子に似た女の子がいるな…って思っていたんだ。華子の娘だったのか…」

「似てるかしら?」
娘の顔を見つめながら華子は言った。

「今日は、進路面接?」
「そうなの…この子、進路がまだ決まっていなくて…」
「私は結婚するからいいの。」
「え?」
華子は驚いた。
「花井先生の奥さんになるの。」

悠も驚いていた。
確かに…確かにデートはした。キスもした。
でも…

華子の娘だったとは…

華子にそっくりなこの女の子に惹かれ、一緒に居る時は華子と一緒に居るような錯覚になっていた。

「馬鹿な事言って無いで、現実を見て欲しいわ。」
華子はため息をつき、悠に会釈をし教室に向かった。







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