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第4章 矛盾

華子は娘に悠の事を尋ねた。

娘は悠とデートした事は言わなかった。

「先生は独身よ。」
「独身なのね。バツいち？」
「知らない。」

サッカー部の顧問をしており、社会の先生をしているとの事だった。

離婚しちゃったんだ…

悠との事を懐かしく思っていた。


「ママ、花井先生がママの連絡先を知りたいっていうから伝えておいたよ。」
娘の桃華がドア越しに言った。

「え？悠が？」

暫くするとメールの着信があった。

【華子、逢いたかった。ずっと。彼女は妊娠していなかったんだ。馬鹿だったよ、俺。】

【それでも、悠は彼女を選んだんだもの。私は夫を選んだし…仕方ないわ。もう…】

華子は悠が恋しくない訳は無い。
時間が経っても好きな人は好きだから…

それでも今はイメージを落とせない。
官僚の妻として医師として理想の夫婦としてマスコミに取り上げられている以上浮ついた事は出来ないのだった。