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流れる星のように
第2章 母と姉
母の幸恵は綺麗だった。

中学生の時に付き合っていた二つ上の先輩とセックスをし、華子を身籠った。
先輩は医師の息子だったが
幸恵の妊娠を知ると「言いがかりだ」と言われ
離れていった。

だが、堕胎させるように幸恵の父親にお金を渡していた。
母親は居なく、父親は呑んだくれのダメオヤジで、大金が入ったと喜び、競輪で全部使い果たしていた。

幸恵は中学を卒業すると
子供の為に働いた。

中卒で未成年の妊娠中の子供にはまともな働き口がある訳もなく、化粧をし年を誤魔化しホステスとして働いた。
まだ16歳の幸恵は妊娠しているのは分かりにくく
8カ月になるまで周りに気付かれずにいた。

幸恵は栄養不足で仕事中に倒れ
偶然そこに客として居合わせた医者が幸恵を産婦人科の医師に診せ、入院となった。

「すみません。私、お金が無いんです。だから…」
幸恵は目に涙を溜めながら言い、
ベッドから降り、深々とお辞儀をした。

幸恵の働く店で度々幸恵に接客され
幸恵を見ていた医者は幸恵に

「大丈夫だよ。幸恵ちゃんのファンだから、病院の事は気にしなくていいんだよ」

幸恵は涙を拭き
「ありがとうございます。でも、私働かないと生きて行けないんです。」

そう言って、病室から出ようとすると
医者は幸恵を抱き止めた。

「大丈夫。幸恵ちゃんがちゃんと働けるようになるまで、援助するから。赤ちゃんの為にもそうしなさい。」

幸恵は泣きながらお礼を言った。




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