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第2章 母と姉

華子と悠が別れたと、学校中で噂になった。

悠には女子が群がり、華子には男子が群がっていた。
もう卒業の悠は、付属の大学の教育学部に進学が決まっていた。

卒業式が三月の最初にあり、二人は言葉も目も合わせずに離れてしまった。


三年になると華子は、勉強に没頭していた。
医師になる為に勉強を夢中でしていた。

晴夫との結婚が6月に決まっていた。
華子は結婚はどうでもよく、晴夫に全て任せていた。

公立の医学部に進もうとしていたが、通うのが楽な付属の大学の医学部を晴夫は勧めた。

結婚したら晴夫が学費を払うようになるだろう。
晴夫がそうしたいのなら、華子はそれでいいと思っていた。

付属の大学とはいえ、入学するには一定の成績以上にできなければいけなかった。
華子は大学で困らない為にも勉強に励んでいた。

6月になり華子は晴夫と結婚した。

政界関係者が多く首相まで来賓で来ていた。

華子との馴れ初めは、父親の秘書の幸恵の娘の勉強を教えてあげていたところからで、お互いに愛を育み、二人で華子の誕生日に結婚すると決めた…となっていた。

華子がまだ高校生だという事に触れたが、政治家の妻として華子が早く勉強したいと申し出たと、皆んなの前で晴夫は語っていた。

若く綺麗な華子を花嫁として娶り、周りは羨ましがっていた。
華子は笑顔を振りまいていたが、結婚なんてどうでも良かった。

華子はセックスが出来たらいいと思っていた。
身体さえ満足し、不自由なく好きに暮らせるなら…と。

華子は友達には結婚の事は言わなかった。

神前で愛を誓ったが、華子は愛なんてこの世には無いと思っていた。