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Blindfold
第7章 けじめ
「なんで俺がお前に心配されなきゃいけねぇんだよ」
子どもっぽい店長の反応もなんとなく新鮮だ。
親しいようだ。それも結構。
「なんでって、お前、血を分けた兄弟なんだから心配くらい───」
「えっ…」
思わず声を上げてしまい、急いで口を閉じる。
が、もう遅い。
店長と“兄弟”だという彼は、目を丸くすると私のことを見て、どうも、と優しく微笑んだ。
「あっ……すみません……」
思わず謝ると、店長はふんっと鼻を鳴らして側にあったタバコの箱を掴んだ。
「初めまして、村田拓也(むらた たくや)です」
「はぁ……どうも…」
驚きすぎて私は名乗るのを忘れて頭を下げる。
誰かに似てると思ったけどこんなに近くにいたとは…
確かに、店長の方が渋いけど、どことなく2人の顔は似ている。