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Blindfold
第9章 本物
適当に言葉を返して、もう何度開けたか分からないお姉ちゃんの病室の扉を開く。
どんな顔をしよう
第一、私は今どんな気持ちなのだろう
誰かが泣きじゃくっている。
閉じることが出来たと思った音がまた私の中に入り込んできた。
ベッドの脇。
そこでしゃがみ込んでいるかずにぃは、激しく肩を揺らせている。
白い手の上にかずにぃの手が重なる。
そんなかずにぃを、ベッドに横たわりながらぼんやり見つめている人物。
「……お姉ちゃん」
お姉ちゃんはゆっくりと首を回して、私の方を見つめた。
生きてる…
目を開けて
私のことを
見つめている