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Blindfold
第9章 本物
───────…
カラン───
鈴の音が鳴る。
「お客さん
もう閉店するけど」
まばらになったお客。
締めの作業をしていると思われる店長は、カウンターを拭いている。
「…お疲れ様です」
「桜??
お前、なんで…」
目を細めた店長が私に気付いて手を止める。
その脇で、ごちそうさま、と言ってまた1人お客が出ていった。
「やることなくて」
「んなこと言ったって、もう締めるだけだぜ」
店長が私に近付く。
その時、少しだけよろけたのが気になった。
「大丈夫ですか?」
「ん…あぁ、いや…ちょっと疲れが出ただけだ」