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Blindfold
第9章 本物
そんなことより──
と店長は言葉を続ける。
「お前こそ、連勤後の貴重な休みなんだから、家に帰ってしっかり…」
「いや…
ここに来たくて来たんです。
だから…」
見上げて、店長を見つめた。
キリッとした顔立ち。
最初はなんで?と思ったけれど、
店長目当てでお客が来るのも今は分かる気がする。
「ならいいけどよ」
ぽんと頭に手を乗せられる。
いつの間にか、それで安心するようになっている。
「しめるの、手伝います」
「いや、いーよ」
店長の制止を振り切って、奥に入る。
溜まった洗い物。
やることがある……
その事への安堵感。