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Blindfold
第9章 本物



お店のライトがぼんやりと光る。



それが目に残って、周りが見づらい。







「もう

分かった」




無表情のままの店長にゆるい笑みを返す。









「………すごいでしょ…?かずにぃのことも……
お姉ちゃんのことも…願い続けたことが
一気に今日起こって───」




タバコの香りが掠める。




店長の顔がとても近くて



何が何だか分からなくて



今、店長にキスをされている、と理解するまでに時間が掛かった。




熱っぽくて



胸が締め付けられて



初めてのその感覚に、唇が触れているだけなのに、鼓動が激しい。



何も出来ずに呆然としていると、店長は私からゆっくり顔を離した。





「もう分かったって


言ってんだろ」





店長はそう囁くと、私の後頭部に手を当ててグッと身体を引き付けた。



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