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Blindfold
第10章 唇
ドンドンと扉を叩く音が鳴り響く。
そして、桜っ!という声に、私は振り返った。
店長…っ…
なんでここまでっ…
「いるんだろっ!
開けてくれ!」
「っ…………」
どうしていいか分からず、私はただ立ち上がって扉を眺めていた。
返事をしていないのに、店長は扉を叩き続ける。
「悪かったっ……
ここを開けてくれ」
悪かった?
一体何がっ…
「かっ、帰って下さいっ……」
力を振り絞って、扉に話し掛ける。
すると、店長は扉を叩くのやめた。
「桜………
頼む……開けて……話をさせてくれ…」
話…
話なんて今聞けない…
今日はもう…
色々ありすぎた。