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Blindfold
第10章 唇
「今日は
もう無理なんですっ……」
扉に背を向けて、部屋の方へと向かう。
微かに
頼む…という声が聞こえた気がして、足が止まる。
トクンと、鼓動が激しく高鳴った。
疲れてしまってぼんやりとする。
奥の部屋の扉を開けると、私は店長に聞こえるように、派手にその扉を閉めた。
「訳わかんないっ……」
未だに感情がごちゃまぜで、自分が何を思っているのかすら分からない。
電気を点けずに、私は布団を被った。
一瞬、部屋の中に明かりが差し込んだかと思うと、ゴロゴロと雷の音がなった。