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Blindfold
第11章 正体
「それで、お医者さんはなんて?」
「点滴して1日か2日入院すれば、大丈夫だろうって言ってました…」
「そう。大事に至らなくて良かったわ」
「……そうですね…」
本当に。
これ以上、ここに通うのは嫌だ。
「まぁ、少し責任は感じちゃうけど…」
それにしても、と、幸さんは言葉を続ける。
「身体だけは頑丈みたいな風にしてるくせに、意外と繊細なのね」
クスと笑う幸さん。
いつも綺麗だとか思うけれどそんな姿はかわいらしい。
「それに、バカは風邪ひかないって、言うのに」
無反応なのもおかしいと思い、はは、と軽い笑いを返す。
すると、むくりとベッドが動いた。
「てっ、店長っ……」
「…………聞いてねぇと思って…好き勝手言いやがって…」
「あら、聞いてたの?」
「ちょっと…っ起き上がらない方がいいですよっ…」
私が制止すると、きつかったのか、店長は諦めたように脱力した。
ギシ、とベッドが鳴る。