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Blindfold
第11章 正体
憤りが原動力となって、ペラペラと言葉が口から漏れ出ていく。
「俺のこと、知りたいのか?」
「っ………」
そう聞かれると困る。
良く考えたら何にこんなにモヤモヤしているのか良く分からない。
分からないけど
とにかくこんな状況は嫌で
やっぱり知りたいと思っている自分がいる。
でも「知りたいです」とは言えずしばらく間が空くと、店長ははぁ、と息をついた。
「36」
「………え?」
突然数字を言われて顔を上げる。
すると、店長は天井を見たまま話し出した。
「36歳。10月14日生まれの天秤座でO型。身長182センチ、体重は…最近測ってねぇから分かんねぇけど、多分80キロはないくらい」
「────…」
「実家は花屋で、ガキみたいな顔した兄が1人」
「あ、あの…」
「それから…中学はバスケ、高校はガタイがいいからって無理矢理勧誘されてラグビーやってた」
「え、えっとっ…」
「大学出て、一回サラリーマンになったけど性に合わねぇからやめて…んで、ぷらぷらしながら色々悩んだ結果決心して、えーと……多分6年前に店を開いた」