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Blindfold
第11章 正体


何が何だか…



店長が息継ぎをしている間に、突然降ってきた情報を頭に入れ込もうとするが、そうこうしている間に店長がまた話し出した。



「あと、俺、バツイチ。サラリーマンやめる1年前に結婚したけど上手くいかなくてすぐに離婚した。子どもはいねぇ」



「そっ、あ、えっ…」


「あとは…えーと、趣味はタバコと花をいじること、料理、たまにバスケ」



そう言い切った店長は、クルッと首をこちらに向けた。


突然目と目があって固まる。



「他に、質問あんなら言えよ」



「い、いや……」



「いいのかぁ?何ならバスケやってた時のポジションまで事細かに教えてやるけど?」


「だ、大丈夫です…っ」




圧倒されたままの私の脳内で182センチとか、結婚のこととか、バスケとか、色んな単語が散乱している。



バツイチっていうのはどっかで聞いて知ってたけど…

いや、ていうかサラリーマンしてたの?

バスケとしかもラグビー??

あぁ、まぁ確かに身長高いしガタイがいい…



情報を整理しようと固まっていると、店長は再び天井を見つめた。




「……別に、隠してなんかねぇよ」



不服そうに店長が呟いて、私は頬をかいた。




「……隠してるっていうか……なんていうか…」


「お前が知りたいっていうなら、いつだって包み隠さず教えてやるよ」


「っ…………」




何故だか分からないけど、その店長の言葉が嬉しくて、顔が熱くなるのを感じた。


確かに、私が聞いたりしなかっただけで、別に、隠してた訳じゃないのかもしれない。





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