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Blindfold
第11章 正体
「お前が聞きたかったことに答えたか分かんねぇけど」
「……ありがとうございます」
私の返事を聞くと、店長は横目で私を見て口元を綻ばせた。
そしてまた、うっと声を詰まらせながら半身を起こした。
「ちょっと…っ、だから無理に起きない方が……」
「大丈夫だって」
私が止める前に、店長は身体を起こした。
「驚異的な回復力ですね…。さっきは苦しそうだったのに」
「あれは寝起きだっただけだ」
そう言いながら辺りを見渡す。
何か探してるんだろうか…。
「あー…タバコ吸いてぇ」
「何言ってるんですか!具合悪いのに…しかもここ病院ですよ!」
「吸わねぇと逆に具合悪くなりそう」
「……そんな訳ないでしょ」
子どもみたいな店長の言葉を聞きながら、病室にかかっている時計を見た。
これからお姉ちゃんのところに行って…
それから…
「店長」
未だ辺りを見渡してタバコを探している店長は、そのまま私を見ずに、んー?と言葉を返した。